CHERRY CHOCOLATE VANILLA DAY

夏の暑くて寝苦しい夜が嫌いだから

クーラーのタイマーを１時間設定して寝る私。


でも最近夜が涼しいことが多いから、網戸にして風を通しながら寝るのが好き♪


今日は私が好きな気温ですごく気持ち良かった。

さっきも外に出たら風が心地よくて

家の前に止まったタクシーのお客さんが、もし運賃が足りなくて困っていたら

部屋に戻ってお財布を取ってきて、足りない運賃を払ってあげようかと思うくらい


気持ちが良かった。




笑。





「那須の香り」

人間の嗅覚が、記憶に一番近い六感というのを聞いて

すごく納得した。

香りからいろいろな思い出がよみがえることがよくある。

それが場所だったり、人だったり。


私がすごく好きな香り

「那須の香り」

小さい頃、赤ちゃんのころから、毎年何回かは栃木の那須に家族で遊びに行った。

そこには今はもうない別荘があった。

小さくて、ボロボロだったけど、大切な大切な私のもうひとつの家だった。


ベランダの床の木は腐っているところがたくさんあるから

毎年誰かが踏みぬいてひどい怪我をするし

そのたびにお父さんが新しい木をつけてた。


梯子を登る屋根裏は本当に狭いし、上の窓には年代物のクモの巣がはっていた。


トイレはなぜか流すと泡があふれてくるし、お風呂に入るといつのまにか虫も一緒に入っていることもある。


テレビなんてないし、あったかもしれないけどつけているところを見たことがない。

電話はダイヤル式。


周りには便利なコンビニやスーパーなんてない。

夜はまっくら。



その代りに、星がすごくきれい。
蛍も見える。

川の音が遠くから聞こえる。

だいぶ離れた遊園地のジェットコースターの音と歓声が聞こえる。


周りを見れば、家族が全員見える。

寝るときは川の字。


夜中目が覚めてもすぐ隣にみんないる。

自分の布団を敷く場所を取って、家からもってきたお気に入りのおもちゃや

ぬいぐるみをばっくから出していっぱい並べる。


ゴロゴロ転がって行けばお兄ちゃんにぶつかる。


それだけで嬉しくて楽しかった。


夜はベランダでバーベキュー。
花火。


冬は雪が積もるし、つららも出来てよく遊んでた。


少しお散歩すると綺麗でかわいい別荘がぽつぽつ建ってた。

よくわからない自分より大きな草をひっぱって抜いたり

野花をお母さんと一緒に押し花にしたり


お父さんの撮っているビデオカメラに必死に走って近づいたり


お布団を温める機械で作業しているお母さんの傍にくっついていたり


もうそんなことが、幸せで・・・

大好きだった。


アブにさされようと、床を踏みぬいて足が血だらけになろうと、虫と共存しようと

絶対に帰りたくないって思った。

帰る車に乗った瞬間



「ねぇあと何日後に那須に行くの？！」


って聞いてた。

大好きでしょうがなかったあの空間と家族。


もうないのかな。

たとえ今、あの家が跡形もなくても

思い出の中にたくさんたくさん残ってる。


那須はよく雨が降る。

しめった土と木の香り。

新鮮な風と空気。


それが

「那須の香り」


懐かしくてすーごくいい香り。


絶対に忘れない。